大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)2261 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人溝口喜方の上告趣意第一点について。

所論は、原判決が大審院判例に違反すると主張する。しかしその前提とする理由

もともに原審で主張なく従つて判断もなかつた事項であるから適法な上告理由と認

められない。(なお記録を調べてみると、被告人は、昭和二八年四月五日確定した

人吉簡易裁判所言渡の窃盗懲役二年の刑は、被告人の原審における供述と異なり、

昭和三〇年三月一九日にその刑期が終了したものと認めるのが正当であるから、第

一審判決の認定する昭和三〇年八月二八日以後に行われた本件各所為は、刑法五六

条所定の条件を具備すること明らかである。従つて第一審の累犯加重は正当であつ

て所論のような違法はなく、判例違反も認められない)。

同第二点について。

所論は、東京高等裁判所判例に違反すると主張する。しかしその前提とする理由

を調べてみると、原判決の維持した第一審判決は、累犯となる判示受刑事実に未決

勾留日数の算入及び減刑の事実があつたことを認定していないのであるから、第一

審が右事実について証拠調をしなかつたことはなんら違法ではない。従つて所論は、

原判決の認定していない事実を前提とする主張であつて採用のかぎりでない。

被告本人の上告趣意は、量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ない。 また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三一年一〇月三〇日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

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